虹色のキャンバスに白い虹を描こう
弾丸のごとく繰り出される言葉に面食らいつつも、脳内で懸命に答えを模索する。
「……価値観の違い?」
「ぶっ」
僕が答えた途端、背後から吹き出すような笑い声が聞こえてきた。片手で顔を押さえ肩を小刻みに揺らしているのは、他でもなく純である。
「かちかんってなに?」
「わかんなーい」
不満を零す子供たちだったけれど、喧嘩の理由に関してはさほど興味がなかったようだ。とにかく「早く仲直りしないと駄目」の一点張りで、なぜか全て僕のせいになっていた。
「ちゃんと話して謝んないとだめだよー」
「いや……学校でもここでも会えないし」
「わたるくんのこと嫌いになっちゃったんじゃない? それか、すっごく怒ってる!」
その可能性は僕だって考えた。彼女が何に対して怒りを覚えたのか、呆れかえったのか。どれだけ思案しても、これといったことは思い当たらないのだ。
黙り込んだ僕に、しょうがないなあ、と幼い呟きが落ちる。
「じゃあ、私たちが『しょうたいじょう』書いてあげるね!」
「招待状?」
「そうだよ! さやかちゃんにあげるの。わたるくんじゃなくて、私たちから言ったら、来てくれるかもしれないでしょ」