虹色のキャンバスに白い虹を描こう
自分の中では最適解だと思っていたものの、一つ前と何ら変わりない言葉を並べている。
純もそれを分かっているらしく、「あのな」と諭すような口調で問いかけた。
「さっきから適当適当って言ってるけど、じゃあお前は清と適当に関わってたのか」
「それは、」
「違ぇだろ。最初はともかく、今のお前を見てて適当だとは思わない。そんな適当野郎に、俺は妹もサークル長の座も絶っ対任せねーよ、ばか」
ここにきて暴言を吐かれるとは思わず、面食らう。けれども、この数日間心臓の奥で燻っていた靄が、少しだけ晴れた気がした。
「お前は関係ねえから。いいか、背負うなよ。誰が何と言おうと、いじめた奴が100%悪い。今日清に会って謝るつもりだったんなら、今すぐ帰れ。お前が謝ることなんて一つもないんだよ」
きっぱりと断言した純は、椅子に背中を預ける。異論は受け付けないと言わんばかりの態度だった。
そうだとしても、と口走ってしまう。
「そいつらが100%悪くても、僕がちゃんとやってれば、そもそも清はいじめられなかったかもしれない」
「だから自分が悪いってか? ふざけんじゃねーよ。そんなのな、後からならいくらでも言えんだわ」