虹色のキャンバスに白い虹を描こう



週に一度、来たいときに来る、というスタンスで活動している――らしい。
福祉センターの集会室。そこが彼らの待ち合わせ場所だった。


「美波(じゅん)。あんたは?」


部屋の片隅で向かい合う彼と僕を尻目に、小中学生が各々遊んでいる。その中に一人混じっている高校生は、美波さんだ。

彼の問いに答えようとした刹那、「航だっけ?」と相手が首を傾げる。


「清の一つ上って聞いたけど」

「ああ……」

「ちなみに、俺の方が年上だから」


純先輩って呼べよ、と押し付けてきた彼が足を組んだ。

この美術サークルは「なないろ」というそうで、彼はサークル長なのだという。小学生から高校生までが所属していると美波さんも言っていたし、今さっきの彼の発言からして、純先輩(・・・)は高校三年で間違いなさそうだ。

髪質も鼻の形も、確かに兄妹よく似ている。なんとなく、強引なところも。

とりとめもなくそんなことを考えていると、彼は「で?」と声色を変えた。


「お前もここに入りたいってことでいいの」

「……は」

「だから来たんじゃねーの? 清に誘われたんだろ」

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