クールなあなたの愛なんて信じない…愛のない結婚は遠慮します!

 次の週の火曜日、梓は美晴を学校まで迎えに行き、
そのまま荻窪にある竹本家の住む生命保険会社の社宅を訪れた。


それぞれ4階建てのマンション形式で2棟建ち、間に駐車場と中庭があった。
社宅とはいえゆったりとした設計で、梓のマンションより設備も良さそうだ。

美晴は一つ学年が上の卓とすぐに仲良くなった。
テレビゲームを少しした後は、二人で中庭に遊びに行ってしまった。


「二人で大丈夫かしら?」
「社宅だから、夕方は大勢の子供達が中庭で遊んでるの。賑やかよ~。
 小さい子のお母さん達も外に出て様子を見ててくれるから安心なの。」

二人はのんびり紅茶を飲みながらクッキーをつまんだ。

「社宅ならではの良さだね。安心って大切よ。」
「う~ん。人目が煩くもあるけど…。」

「ところでさあ、梓は、そろそろ再婚とか考えてないの?」
「やだ、もう結婚はこりごりだよ。」
「え~っ、まだ33歳だよ、私達!」

もう(・・)、だよ。今は娘の事で頭がいっぱい!男なんて必要ないわ。」
「そうなんだ…梓らしいけど。」

「由梨こそ、働いたりはしないの?」
「実は、考えてるんだ。主人の母が二人目はって良く聞いてくるのがイヤで
 外に出たいんだけどね…。私、お勤めした事が無いから自信なくて。」

「卒業して、10年かあ…。」
「結婚して10年も経つと夫の浮気疑惑もあるしね。気が抜けないよ。」

「そうなの?」



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