クールなあなたの愛なんて信じない…愛のない結婚は遠慮します!
「ただいまあ。」
いつものように美晴を預けている実家へ帰ると、少し雰囲気が違っていた。
まっすぐリビングに入ると、部屋の隅にいくつか大きな箱が並んでいた。
宅配にしてはリボンや可愛いシールが付いている。
健吾と佳苗は、リビングから続いているダイニングにいた。
向かい合ってダイニングテーブルに座って夜食を食べていたようだ。
「お疲れさま。二人とも仕事だったの?」
二人の前には、美味しそうな鍋焼きうどんの土鍋がある。
「ああ…。明日から大仕事が始まるからな。」
「例のCEOがニューヨークから視察に来るとかいう?」
うどんをすすりながら、健吾が頷いている。
「それで、あの荷物は?」
何気なく梓が聞くと、とんでもない返事が返ってきた。
「美馬君からだ。」
それは、航が持ってきた、『お土産』という名目の
美晴へのおもちゃやら、ゲームやぬいぐるみのプレゼントの山だった。