クールなあなたの愛なんて信じない…愛のない結婚は遠慮します!
「え?どうして?」
「明日からの打ち合わせを会社でした後、またここへ来たんだ。」
「まさか?」
「美晴へのお土産だそうだ。」
「受け取ったの?」
「仕方ないだろ?母さんまで喜んじゃって…。」
「母さんは?」
「美晴と離れの自分の部屋で寝てるよ。」
「もう…なんでほだされてるのよ。」
「実はなあ…母さん、ヤツが線香あげに来た日から大変だったんだ。
毎日毎日、10年前より立派になってたってベタ褒めだよ。」
「そんな…いくら出世したからって、母さんたら、あんなに怒ってたくせに!」
「そりゃ、仕方ないさ。美晴が可愛いからだよ。」
そう言われたら、梓には返す言葉が無かった。
離婚して実家に帰ってきた自分を受け入れてくれ、出産も面倒を見てくれた母だ。
「美晴の将来の為に、父親がいた方がいいって思うのは当たり前だろ。」
「それは…そうかもしれないけど…。」
「美馬君は、お前と再婚したいって母さんに言ったみたいだぞ。」
「酷い…。勝手なこと言って…。」