クールなあなたの愛なんて信じない…愛のない結婚は遠慮します!
即答で梓に結婚を拒否されてからも、航は美晴に会いたくてたまらなかった。
ついに我慢しきれなくなり、健吾との打ち合わせのある日に秘書を呼びつけた。
「芳賀、頼みがある。」
「はい、何でしょうか社長。」
「午後から少し時間をやるから、買い物を頼まれてくれないか?」
「わかりました。マーレー氏への贈り物ですか?」
「いや…プライベートだ。」
「は?また、何処かのクラブの女への手切れ金代わりですか?」
芳賀が心底イヤそうな顔をした。
数年前に一度、航が遊んだ女が、彼が本気だと勘違いして修羅場になり
宝石を買って黙らせたことがあったのだ。
それで懲りた航は、ピタリと女遊びを止めたはずだ。
「10歳くらいの女の子が好きそうな物を、これで買ってきてくれ。」
航はプライベート用のカードを芳賀に渡そうと財布から出した
「はああ?10歳ですか?女の子?」
「娘だ…。」
「は?」
「俺の、娘だ。」