クールなあなたの愛なんて信じない…愛のない結婚は遠慮します!
芳賀は、バツイチだが子供はいない筈の航が言った
娘の存在について、本気にはしなかった様だ。
僅かな時間で山のように女の子向けのおもちゃやゲームを買ってきた。
それらを抱えて美晴に会いに行った日を、苦々しく航は思い出していた。
子供の存在を知らなかった航は、プレゼント一つ買った事が無かった。
それなのに、初めて美晴に送る物を秘書に選ばせた事を今は後悔していた。
『そうか…子供へのプレゼントは、そんな風に選ぶのか…。』
その日は、マーレーCEOをホテルに送れば彼の仕事は終了だ。
CEOは大使館の職員や政府の役人と会食予定で、自分の出番はない。
『ワタル、君もファミリーを持てばわかるよ。』
楽しそうに買い物をしてたマーレー氏から言われた言葉が胸に残った。