クールなあなたの愛なんて信じない…愛のない結婚は遠慮します!
パート8
もうすぐ小学校の終業式が近い12月の火曜日。
梓は休みの日なので、朝から家事に追われていた。
お昼前、そろそろ美晴が帰ってくる時間だ。
その時、スマートフォンに着信があった。
珍しい事に、休みだというのに勤め先からの電話だった。
「もしもし。」
『あ、屋代先生。受付の皆川です。お休みの所すみません。今よろしいですか?』
「はい。」
『受付に竹本卓君が来て、先生に会いたいって言ってるんです。
今日のお昼に、お約束ありましたか?』
「卓君が?」
『学校帰りみたいです。どうしましょう。』
その時、玄関のチャイムが鳴って美晴が帰宅した事がわかった。
「すぐにそちらへ行きますから、受付で保護しておいて下さい!」
『わかりました。お待ちしています。』
何か事情がありそうだが、ベテランの皆川ならキチンと対応してくれるだろう。
「お帰り、美晴。お腹空いてるだろうけど、お出かけだよ。
卓くんのお迎えに新宿まで行こう!」
「いいよ~。卓くんと一緒にハンバーガー食べたあい!」
誰に似たのか、ちゃっかりしている娘を連れて梓は新宿まで急いだ。