クールなあなたの愛なんて信じない…愛のない結婚は遠慮します!
翌朝、5時には航に声をかけた。
「朝よ。起きなくていいの?仕事大丈夫ですか?」
懐かしい声が聞こえて、ふっと航は目覚めた。
「ああ…。昨夜寝てしまったのか…。」
「まだ5時だけど、もし早朝の仕事があったらと思って。」
「助かった。会議があったんだ。」
「何か食べますか?コーヒーは入れておいたわ。」
「ありがたい。顔を洗って、コーヒーだけもらうよ。」
乱れた服装を直しながら、航は洗面所へ顔を洗いに行った。
梓は子供たちが眠っているか布団を覗いたら、二人ともぐっすりだ。
ざっと顔を洗って手櫛で髪をとかした航がテーブルに着くと、コーヒーを渡す。
「だいぶお疲れみたいだけど、大丈夫?」
「ああ、結論を出さなきゃいけない案件があったんだ。」
梓が入れてくれた熱いコーヒーをひと口啜ると、生き返る気がする。
「…それより、由梨たちの子を預かってるって竹本家に何かあったのか?」
「その事で、あなたに相談があったの。
近いうちに少しでいいから時間を取ってもらえたら助かるわ。」
「わかった。また連絡するよ。」
「ありがとう。」