クールなあなたの愛なんて信じない…愛のない結婚は遠慮します!
何と答えたものか、どう返事しようかと考えていた時、
「美晴~!」
大きな声で姪の名前を叫びながら健吾が走ってきた。
「探したぞ~。心配したぞ~。」
12月だというのに、汗びっしょりだ。長時間走ってきたのだろう。
「航君が迷子になってたのを見つけてくれたのか?ありがとう。助かった。」
「いえ、美晴ちゃんが携帯に電話をくれたので迎えに来たんです。」
「電話?」
「美晴ちゃんと携帯番号を交換していたんです。」
「そうだったのか。良かった~。GPSだと中々特定出来なくて。」
「この雑踏の中では話も出来ません。私の家が近いのでそこに移動しましょう。」
「すまない。心配している母親たちに連絡して迎えに来てもらおう。」
四人は、航のマンションへ歩いて行く事にした。
航は美晴の質問から逃げた事が気になっていたが、
こればっかりは梓を無視しては話せない。
子供達が何を考えてこんな無茶な行動をとったのか、
話を聞いてみなければ何もわからないのだ。