クールなあなたの愛なんて信じない…愛のない結婚は遠慮します!
夫婦喧嘩を延々と見せられていた梓と航は、ため息をついた。
「これで、由梨の相談事をあなたに伝えなくてすみそうよ。」
「ああ…。話があるって言ってたのは、これか。」
「ええ…。どうやら、収まりそうね。」
由梨が泣き止んだ頃、健吾が子供達を連れて帰ってきた。
ジュースや緑茶のペットボトルを何本か買ってきた様だ。
「どうやら、こちらは片付いたみたいだな。」
泣き笑いしている由梨と、ニヤけた顔をしている竹本を見て健吾が言った。
全員で、やっとひと息ついた。早朝から何と慌しかった事か。
昨日から家に帰っていなかった卓は、両親と一緒に帰宅するという。
二人揃って迎えに来てくれた事が嬉しかった様だ。
「ゴメンね、卓。パパとママの事で心配してくれたんだよね。」
「うん…。」
「もう大丈夫だよ。ママとお話ししたからね。三人で、家に帰ろう。」
卓は元の明るい表情を取り戻し、両親と手を繋いで帰って行った。