冷たい彼の本音

恋は稲妻のように

            恋は稲妻のように


「この度は娘の彩芽とお会いしていただきありがとうございます」

  
  ししおどしの音だけが聞こえていた部屋に父の声が響き渡った


私は今日、お見合いをする。


誰とも知らない人と‥


私のお爺さまと相手方のお爺さまが昔からの


親友だったらしい。


孫が出来たら結婚させようと口約束をしてい


たらしい、ただの口約束なのに、


でも私はちょっとドキドキしていた


(優しい人かな? 一体どんな人だろう?)

 
昨日、父から知らされたお見合いでもあまり


驚かなかった自分に驚いているくらいだ


ふと我に帰ると自分の目の前にとんでもない


イケメンが座っていた


(もしかして、この人が‥)


「はじめまして、堂本優斗です。この度はお会いできて光栄です。」


心地よいくらい低い声にうっとりしていると


父が、何か喋れという目を向けてきた


「はっ、はじめまして、岸本彩芽です。こちらこそお会いいただきありがとうございます」

 
緊張しすぎて噛んでしまった。


でも、優斗さんは優しく微笑んでくれた。


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