【1/2 英語版③巻オーディオブック発売・電子先行③巻発売中】竜の番のキノコ姫 ~運命だと婚約破棄されたら、キノコの変態がやってきました~ 第2章
52 俺のキノコのお姫様
まっすぐに鈍色の瞳に見つめられて、アニエスはその場で固まった。
動けないアニエスの代わりとばかりに、ポンポンとキノコが生えてくる。
灰褐色の傘に黒褐色のイボを持つのはヘビキノコモドーキ、乳白色の小さな傘はオトメノカーサ、半円球で扁平な緋色のキノコはヒイロターケだ。
どう考えてもクロードの言葉に反応して生えているとしか思えないのだが、一体キノコの感度はどこまで上がってしまうのだろう。
空気を読んだのか知らないが、クロードに生えずにベンチに生えているあたり、本当に会話を理解しているとしか思えない。
キノコに意識を飛ばして現実逃避していると、クロードがアニエスの手を握ってきた。
「出会った頃にも言ったけれど、俺の気持ちは変わっていない」
「……ああ、あのベニテングターケですね」
クロードがひとめぼれしたという、キノコ。
思えば、あの頃から揺るぎないキノコの変態だった。
「ああ。確かにあのキノコは素晴らしかったが……たとえキノコが生えなくなっても、アニエスがいいんだ。俺を嫌っていないのなら、考えてほしい」
既に王族には番だと紹介されていて、婚約者同然とみなされている。
それでもこうして求婚したのは、きっとクロードなりの誠意でありけじめなのだろう。
何だか嬉しくなってクロードの手を見ると、指輪にはキノコがついていた。
「……クロード様。指輪にキノコが見えます」
「キノコだよ。アニエスとの運命を感じた、ベニテングターケをモチーフに作らせた」
「……プロポーズ。ベニテングターケにしていますよね?」
「まさか。アニエスに、だよ。キノコは別腹だ」
ということは、食べるのだろうか。
ベニテングターケは毒なのだが、大丈夫だろうか。
「成人の頃までに番を見つけないと衰弱とか、番を失うと衰弱とか。ああいうのはもっと後に話そうと思っていたんだ。下手に知れば、気持ちが整わないままに義理でプロポーズを受けかねない」
さすがにそこまではと思って声を上げかけたが、クロードは首を振る。
「アニエスは自己評価が低い。これはフィリップのせいだし、少しずつ改善してはいるけれど。俺が弱ると知ったら、自分を犠牲にするだろう。それでは、アニエスは幸せとは言えない。ちゃんと自分で考えて、選んでほしかったんだ。……まあ、こんなことになったから、今更だけど」
クロードは苦笑すると、指輪を持っていない手でアニエスの指をすくい取り、唇を落とした。
「すぐに返事をしなくてもいい。よく考えて。俺にはアニエスしかいないから、いつまででも待てる」
優しく微笑まれて、アニエスの胸の奥がざわざわと騒ぎ出す。
落ち着かないのに、心地良い。
クロードに出会ってから、こんなことばかりだ。
アニエスは指輪をつまむと、じっと見つめる。
銀の指輪にはキノコにしか見えない装飾があり、傘の水玉模様には青とピンクの石がはめ込まれていた。
「キノコの水玉に、石が入っているのですね」
「うん。街で買ったあのブローチに似せてみた。アニエスと俺の色だよ」
仮にも王子が作った指輪なのに、街のブローチをモチーフにするとは。
それを言ったらキノコな時点でおかしいか。
だがキノコの変態なのだから、仕方がない。
そう思うと何だか楽しくなってきた。
「こういうのって、薬指でしたっけ?」
「え? うん。待って、つけてあげる」
クロードの手ではめられた指輪は、アニエスの左手の薬指でキラキラと輝いた。
「本当にキノコですね。初めて見ました、キノコの指輪」
くすくすと笑うアニエスを見て、クロードもつられて笑う。
「クロード様は、私でいいのですか?」
「違うよ。アニエスがいいんだ」
「私、面倒くさいですよ。キノコも生えますし」
「それでもいい。それがいい。アニエスが、いい」
即答するクロードが必死で、何だか面白い。
「私、自分に自信を持つのは難しいです。でも、私のことは信じられなくても、クロード様のことは信じられます。クロード様が私でいいのなら、私は私のままでいいのだと、信じます」
クロードはアニエスを肯定する者の言葉を選べるようにしようと言ってくれた。
だから、まずはクロードから始めてみようと思う。
きっとアニエスのことを邪魔だとか、不要だとか言わない。
そう信じられるから。
「……俺と、結婚してくれる?」
ひざまずいたまま鈍色の瞳に見上げられ、アニエスは微笑みながらうなずいた。
「はい。よろしくお願いします」
「――アニエス!」
クロードは目にも止まらぬ速さで立ち上がり、アニエスを抱きしめようと手を広げた。
だが、その瞬間ポンポンという破裂音が響く。
気が付くと、アニエスとクロードの間には、無数のキノコが挟まる形になっていた。
ゆっくりとクロードが離れると、キノコはクロードの胸から生えている。
黄金色の粉で覆われた傘はコガネターケ、黄褐色の傘で群生しているのはオオワライターケ、真っ黒な土筆の頭状のものはマメザヤターケ、傘部分が黄土色の球体で、その頂に赤橙色の星型の孔を持つキノコはクチベニターケだ。
もう色とりどりで何が何だかわからず、アニエスは噴き出した。
「これは、喜んでくれているのかな。それとも、アニエスに触れられないように守っているのかな」
キノコが生えたこと自体は嬉しそうなのだが、理由を考えるクロードは何だか難しい顔をしている。
「さあ、どうでしょう? でも、私はクロード様が好きですから。きっとキノコもクロード様が好きです」
すると、破裂音と共にクロードの肩にキノコが生える。
赤い傘に白いイボを持つのは、ベニテングターケだ。
キノコ尽くし状態のクロードは、ベニテングターケを撫でると小さく笑った。
「そうか。それはちょうどいい。俺はキノコが好きだし、アニエスが大好きだ」
今度はキノコに遠慮なくアニエスを力いっぱい抱きしめると、そっと頬に手を添えた。
鈍色の瞳と見つめ合うと恥ずかしい。
けれど、同時に幸せな気持ちになる。
「愛しているよ、アニエス。――俺のキノコのお姫様」
そう言って微笑むと、クロードはゆっくりと唇を重ねた。
============
これで第二章本編は完結です。
「今日のキノコ」図鑑も公開しますので、そちらもお楽しみください。
【今日のキノコ】
ヘビキノコモドキ(「俺は、好きだよ」参照)
灰褐色の傘に黒褐色のイボを持ち、ヒョウ柄のようにも見えるキノコ。
噂話が大好きなおばちゃん気質で、オトメノカサとは情報交換をする仲。
「最近の若いキノコはいいわねえ」が口癖。
「うちのアニエスにプロポーズ!」と母親目線で喜んでいる。
喜びのあまり、嫁入り道具(キノコ)を用意しようとし始めた。
オトメノカサ(「女王が二本降臨しました」参照)
乳白色の傘を持つ、小さくて可愛らしいキノコ。
乙女な気配を感じると逃すことなく生えてくる、恋バナ大好きな野次馬キノコ。
「プロポーズ、きたぁー!」と絶叫しながらヒイロタケを連れて生えてきた。
盛り上がりすぎて、少々多めに生えている。
ヒイロタケ(「俺は、好きだよ」参照)
半円球で扁平な緋色のキノコで、全身錆びついたサルノコシカケという感じ。
「木材腐朽菌倶楽部」の一員。
放って置くとどこまでも勝手に盛り上がるオトメノカサに、ブレーキをかける役割だが、ほぼ機能していない。
今回ばかりはオトメノカサに負けない勢いで生えてきた。
オトメノカサと一緒にゆらゆらと傘を揺らしてはしゃいでいる。
コガネタケ(「キノコの総攻撃を報告します」参照)
黄金色の粉で覆われた傘を持つキノコで、別名はキナコタケ……相当粉っぽいという評価だ。
一応食用キノコだが生で食べると中毒を起こすので、茹でよう。
というか、そこまでして何故食べるのか、キノコの勇者達。
プロポーズ成功を見て、「めでたいと言えば黄金色だよね」と傘を張って生えてきたが、クロードに挟まれて粉がパラパラ落ちている。
オオワライタケ(「キノコの心配」参照)
黄褐色のブナシメジという見た目。
名前から察することができるが、毒キノコ。
神経系の毒があり、異常な興奮、幻覚、意識障害などが起こるらしく、全然笑えない。
キノコ界のにぎやかし要員であり、特技の群生を活かしていろんな場所に生えまくる。
「プロポーズ! プロポーズ!」と連呼しながら群生した。
アニエスとクロードに挟まれたが、群生は止まらない。
マメザヤタケ(「わがままレディを目指せと言われました」参照)
真っ黒な土筆の頭状のキノコ。豆という名前だが、見た目の通り食用には不向き。
表面は黒いが中は白く、中央は空洞。
肉は硬さがあるが、割と簡単に崩れる。
硬いのに崩れやすいというわがままボディは、クロードとアニエスに挟まれて崩れ気味。
でもめでたいので、自ら崩れてみている。
クチベニタケ(「耐えて、慣れて」参照)
傘部分が黄土色の球体で、その頂に赤橙色の星型の孔を持つキノコ。
たこ焼きのてっぺんに穴が開いていて、穴の端が紅ショウガで染まっている感じ。
名前通り、まるで口紅をつけた唇の様な見た目。
いつか本当にキスした暁には、クチベニタケ二人……二茸で再現したいと思っている。
念願叶い、ダブル・クチベニタケによる模擬チューが成功した。
ベニテングタケ(「女王が二本降臨しました」参照)
赤い傘に白いイボが水玉模様のように見える、絵に描いたようなザ・毒キノコという見た目。
スー〇ーマ〇オなら1upしそうだが、実際は食べたらやばそう。
運命の赤い菌糸を感じ取っては生えてくるキノコで、クロードのひとめぼれの相手でもある。
「キノコもクロードのことが好きだし、アニエスのこともだーい好き!」と楽し気に傘を揺らしている。
動けないアニエスの代わりとばかりに、ポンポンとキノコが生えてくる。
灰褐色の傘に黒褐色のイボを持つのはヘビキノコモドーキ、乳白色の小さな傘はオトメノカーサ、半円球で扁平な緋色のキノコはヒイロターケだ。
どう考えてもクロードの言葉に反応して生えているとしか思えないのだが、一体キノコの感度はどこまで上がってしまうのだろう。
空気を読んだのか知らないが、クロードに生えずにベンチに生えているあたり、本当に会話を理解しているとしか思えない。
キノコに意識を飛ばして現実逃避していると、クロードがアニエスの手を握ってきた。
「出会った頃にも言ったけれど、俺の気持ちは変わっていない」
「……ああ、あのベニテングターケですね」
クロードがひとめぼれしたという、キノコ。
思えば、あの頃から揺るぎないキノコの変態だった。
「ああ。確かにあのキノコは素晴らしかったが……たとえキノコが生えなくなっても、アニエスがいいんだ。俺を嫌っていないのなら、考えてほしい」
既に王族には番だと紹介されていて、婚約者同然とみなされている。
それでもこうして求婚したのは、きっとクロードなりの誠意でありけじめなのだろう。
何だか嬉しくなってクロードの手を見ると、指輪にはキノコがついていた。
「……クロード様。指輪にキノコが見えます」
「キノコだよ。アニエスとの運命を感じた、ベニテングターケをモチーフに作らせた」
「……プロポーズ。ベニテングターケにしていますよね?」
「まさか。アニエスに、だよ。キノコは別腹だ」
ということは、食べるのだろうか。
ベニテングターケは毒なのだが、大丈夫だろうか。
「成人の頃までに番を見つけないと衰弱とか、番を失うと衰弱とか。ああいうのはもっと後に話そうと思っていたんだ。下手に知れば、気持ちが整わないままに義理でプロポーズを受けかねない」
さすがにそこまではと思って声を上げかけたが、クロードは首を振る。
「アニエスは自己評価が低い。これはフィリップのせいだし、少しずつ改善してはいるけれど。俺が弱ると知ったら、自分を犠牲にするだろう。それでは、アニエスは幸せとは言えない。ちゃんと自分で考えて、選んでほしかったんだ。……まあ、こんなことになったから、今更だけど」
クロードは苦笑すると、指輪を持っていない手でアニエスの指をすくい取り、唇を落とした。
「すぐに返事をしなくてもいい。よく考えて。俺にはアニエスしかいないから、いつまででも待てる」
優しく微笑まれて、アニエスの胸の奥がざわざわと騒ぎ出す。
落ち着かないのに、心地良い。
クロードに出会ってから、こんなことばかりだ。
アニエスは指輪をつまむと、じっと見つめる。
銀の指輪にはキノコにしか見えない装飾があり、傘の水玉模様には青とピンクの石がはめ込まれていた。
「キノコの水玉に、石が入っているのですね」
「うん。街で買ったあのブローチに似せてみた。アニエスと俺の色だよ」
仮にも王子が作った指輪なのに、街のブローチをモチーフにするとは。
それを言ったらキノコな時点でおかしいか。
だがキノコの変態なのだから、仕方がない。
そう思うと何だか楽しくなってきた。
「こういうのって、薬指でしたっけ?」
「え? うん。待って、つけてあげる」
クロードの手ではめられた指輪は、アニエスの左手の薬指でキラキラと輝いた。
「本当にキノコですね。初めて見ました、キノコの指輪」
くすくすと笑うアニエスを見て、クロードもつられて笑う。
「クロード様は、私でいいのですか?」
「違うよ。アニエスがいいんだ」
「私、面倒くさいですよ。キノコも生えますし」
「それでもいい。それがいい。アニエスが、いい」
即答するクロードが必死で、何だか面白い。
「私、自分に自信を持つのは難しいです。でも、私のことは信じられなくても、クロード様のことは信じられます。クロード様が私でいいのなら、私は私のままでいいのだと、信じます」
クロードはアニエスを肯定する者の言葉を選べるようにしようと言ってくれた。
だから、まずはクロードから始めてみようと思う。
きっとアニエスのことを邪魔だとか、不要だとか言わない。
そう信じられるから。
「……俺と、結婚してくれる?」
ひざまずいたまま鈍色の瞳に見上げられ、アニエスは微笑みながらうなずいた。
「はい。よろしくお願いします」
「――アニエス!」
クロードは目にも止まらぬ速さで立ち上がり、アニエスを抱きしめようと手を広げた。
だが、その瞬間ポンポンという破裂音が響く。
気が付くと、アニエスとクロードの間には、無数のキノコが挟まる形になっていた。
ゆっくりとクロードが離れると、キノコはクロードの胸から生えている。
黄金色の粉で覆われた傘はコガネターケ、黄褐色の傘で群生しているのはオオワライターケ、真っ黒な土筆の頭状のものはマメザヤターケ、傘部分が黄土色の球体で、その頂に赤橙色の星型の孔を持つキノコはクチベニターケだ。
もう色とりどりで何が何だかわからず、アニエスは噴き出した。
「これは、喜んでくれているのかな。それとも、アニエスに触れられないように守っているのかな」
キノコが生えたこと自体は嬉しそうなのだが、理由を考えるクロードは何だか難しい顔をしている。
「さあ、どうでしょう? でも、私はクロード様が好きですから。きっとキノコもクロード様が好きです」
すると、破裂音と共にクロードの肩にキノコが生える。
赤い傘に白いイボを持つのは、ベニテングターケだ。
キノコ尽くし状態のクロードは、ベニテングターケを撫でると小さく笑った。
「そうか。それはちょうどいい。俺はキノコが好きだし、アニエスが大好きだ」
今度はキノコに遠慮なくアニエスを力いっぱい抱きしめると、そっと頬に手を添えた。
鈍色の瞳と見つめ合うと恥ずかしい。
けれど、同時に幸せな気持ちになる。
「愛しているよ、アニエス。――俺のキノコのお姫様」
そう言って微笑むと、クロードはゆっくりと唇を重ねた。
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これで第二章本編は完結です。
「今日のキノコ」図鑑も公開しますので、そちらもお楽しみください。
【今日のキノコ】
ヘビキノコモドキ(「俺は、好きだよ」参照)
灰褐色の傘に黒褐色のイボを持ち、ヒョウ柄のようにも見えるキノコ。
噂話が大好きなおばちゃん気質で、オトメノカサとは情報交換をする仲。
「最近の若いキノコはいいわねえ」が口癖。
「うちのアニエスにプロポーズ!」と母親目線で喜んでいる。
喜びのあまり、嫁入り道具(キノコ)を用意しようとし始めた。
オトメノカサ(「女王が二本降臨しました」参照)
乳白色の傘を持つ、小さくて可愛らしいキノコ。
乙女な気配を感じると逃すことなく生えてくる、恋バナ大好きな野次馬キノコ。
「プロポーズ、きたぁー!」と絶叫しながらヒイロタケを連れて生えてきた。
盛り上がりすぎて、少々多めに生えている。
ヒイロタケ(「俺は、好きだよ」参照)
半円球で扁平な緋色のキノコで、全身錆びついたサルノコシカケという感じ。
「木材腐朽菌倶楽部」の一員。
放って置くとどこまでも勝手に盛り上がるオトメノカサに、ブレーキをかける役割だが、ほぼ機能していない。
今回ばかりはオトメノカサに負けない勢いで生えてきた。
オトメノカサと一緒にゆらゆらと傘を揺らしてはしゃいでいる。
コガネタケ(「キノコの総攻撃を報告します」参照)
黄金色の粉で覆われた傘を持つキノコで、別名はキナコタケ……相当粉っぽいという評価だ。
一応食用キノコだが生で食べると中毒を起こすので、茹でよう。
というか、そこまでして何故食べるのか、キノコの勇者達。
プロポーズ成功を見て、「めでたいと言えば黄金色だよね」と傘を張って生えてきたが、クロードに挟まれて粉がパラパラ落ちている。
オオワライタケ(「キノコの心配」参照)
黄褐色のブナシメジという見た目。
名前から察することができるが、毒キノコ。
神経系の毒があり、異常な興奮、幻覚、意識障害などが起こるらしく、全然笑えない。
キノコ界のにぎやかし要員であり、特技の群生を活かしていろんな場所に生えまくる。
「プロポーズ! プロポーズ!」と連呼しながら群生した。
アニエスとクロードに挟まれたが、群生は止まらない。
マメザヤタケ(「わがままレディを目指せと言われました」参照)
真っ黒な土筆の頭状のキノコ。豆という名前だが、見た目の通り食用には不向き。
表面は黒いが中は白く、中央は空洞。
肉は硬さがあるが、割と簡単に崩れる。
硬いのに崩れやすいというわがままボディは、クロードとアニエスに挟まれて崩れ気味。
でもめでたいので、自ら崩れてみている。
クチベニタケ(「耐えて、慣れて」参照)
傘部分が黄土色の球体で、その頂に赤橙色の星型の孔を持つキノコ。
たこ焼きのてっぺんに穴が開いていて、穴の端が紅ショウガで染まっている感じ。
名前通り、まるで口紅をつけた唇の様な見た目。
いつか本当にキスした暁には、クチベニタケ二人……二茸で再現したいと思っている。
念願叶い、ダブル・クチベニタケによる模擬チューが成功した。
ベニテングタケ(「女王が二本降臨しました」参照)
赤い傘に白いイボが水玉模様のように見える、絵に描いたようなザ・毒キノコという見た目。
スー〇ーマ〇オなら1upしそうだが、実際は食べたらやばそう。
運命の赤い菌糸を感じ取っては生えてくるキノコで、クロードのひとめぼれの相手でもある。
「キノコもクロードのことが好きだし、アニエスのこともだーい好き!」と楽し気に傘を揺らしている。