図書館司書に溺愛を捧ぐ

プロローグ

私の働く図書館はこの辺りではかなり規模が大きく専門書も揃うため来館者がとても多い。
毎日朝から小さな子供から年配の人までひっきりなしに訪れる。
ここで司書として働く私、花沢紗夜は5年目になる27歳。
マーレ図書館は海辺に立つ図書館で夕陽の沈むところが見えると地元では有名なところ。海に突き出す桟橋があり写真を撮る人も後を立たない。
本を読みながらふと視線を上げた時に海が見えるように全面ガラス張りになっているところが本当に素敵だ。

このマーレ図書館で働くことが夢だった私は配属された時、天にも登る思いとはこういうことなのだと思うくらい舞い上がった。

私が図書館で働きたいのはここでのある人との出会いからだったから。