図書館司書に溺愛を捧ぐ
お兄ちゃんの連れて行ってくれたお店はこじんまりとした小料理屋さん。
オシャレなお店だったら気後れしていたかもしれないが正直ここなら敷居が高くなさそう。

「紗夜ちゃん、ここのご飯美味しいんだ。特に揚げ出し豆腐と銀だらの西京漬けがおすすめ。お酒は飲めるの？」

「少しなら飲めます。料理は好き嫌いないのでおすすめのものにします」

「分かった。じゃ、適当に頼もう」

お兄ちゃんは店員さんを呼び注文してくれた。

早速きたビールで再会を祝して、と乾杯した。

沢山泣いた後のビールは体に染み込むようでとても美味しかった。次々と運ばれてくる料理に机はいっぱいになった。

「お兄ちゃん、こんなに食べれるの？」

「大丈夫さ」

あまりの量に驚くがお兄ちゃんは私の驚くのを横目にどんどん食べ進めていく。こんなに細いのにどこに入るのだろう。

「紗夜ちゃん、食べてみて」

私も促されるままに食べてみるとどれも美味しく、特におすすめの揚げ出し豆腐はあっという間に食べてしまった。
そんな姿をお兄ちゃんは笑いながら見ていたのに気がつき、がっつきすぎたと恥ずかしくなった。
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