図書館司書に溺愛を捧ぐ

信頼

私は小さな頃から引っ込み思案で言いたいことをはっきり言えず、それを段々と友達から「言いたいことあるならハッキリ言いなよ」と言われるようになった。目を見て言われると怖くなり、責められれば責められるほど言い出せなかった。
私と遊んでも何考えてるのか分からないからつまらないと言われ、段々と友達は離れていった。私はみんなと遊んで楽しいし不満なんてなかった。でも周りの子からはそう思ってもらえなかった。
思春期によくある仲間意識から外れた人ととられたようだった。
話しかけたくても話しかけられず孤立していった。
唯一の友達は小さな頃からの友達、あずさちゃんだけ。でもあずさちゃんは隣の地区の学校になり離れてしまった。今でも遊んでくれるのが私の唯一の救い。
とはいえ毎日遊ぶこともできず私は地元にある図書館へ通うようになった。
子供向けのイベントがあったり、読み聞かせをしてくれたりする。何もなくても時間を潰すだけの本は山ほどある。
私は学校から帰ると図書館へ行き、本を読み漁るようになっていった。
そんなある日、学校の友達に嫌なことを言われた。本ばかり読む根暗だとか顔が暗くて怖いとか、容姿に関しても責められた。
みんなの顔を見るのが嫌で前髪が長かったからだと大人になった今ならわかるけどその時は傷ついた。
私は机に座ったまま顔を下に向けじっと歯を食いしばった。
ようやく学校が終わると走って帰り、唯一の心の拠り所となった図書館へ向かった。
でも本を見ても心が落ち着くことはなく、返って涙がこぼれ落ちてきてしまった。
私は慌てて涙を拭くが止まらない。
本棚の間に隠れており誰にも気付かれていない。
教室では泣かなかったけど、ここにきたら急に涙が溢れてきてしまった。
歯を食いしばり嗚咽が漏れないよう唇をギュッと締め、肩を強張らせていた。
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