図書館司書に溺愛を捧ぐ
帰りの車で連絡先を交換し、そのまま家まで送り届けてもらった。

「図書館挟んで反対方向なんだな。うちは駅の方なんだ」

「そうなんだね。でも不思議だよね。歳も違うし、家もそばじゃないのにこうして知り合いになれたなんて。それに基紀さんがいなかったら私あのころ毎日誰とも話さないで終わってたよ」

「そうだな。知り合うことのない2人が知り合うってある意味運命的じゃないか」

「お兄ちゃんやっぱり見た目もだけど、話すこともカッコいいね」

「またお兄ちゃんっていう!名前で呼べよ」

「そうだったね。つい」

私がえへへ、と笑うと頭をこづかれた。
そんな何気ないことがまたうれしい。
車から降りると車は走り出した。
私は見えなくなるまで玄関の前で見送った。

お風呂から出てスマホを見るとメッセージが届いていた。
可愛いスタンプと共に『また食べに行こう』と入っていた。

また、があるんだと思うと嬉しくなりすぐに返信した。

『楽しみにしてるね』と。

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