図書館司書に溺愛を捧ぐ
家に帰り、スノーボールをたくさん作った。

18時に駅に向かわなければならないけどたくさんできたから基紀さんにも食べてほしい。

少し早めに家を出て、昨日お邪魔したばかりのマンションに行き、ポストの中に少しだけ入れた。
お疲れ様でした、とメモも添えたから気がついてくれるかな。

私はあずさを迎えに職場のあるビルの前に向かった。

あずさは和菓子屋さんの販売員をしてる。
今日は早番だから18時には絶対上がれるって言ってたのでピッタリの時間にお店まで迎えに行った。

店の横から時間通りにひょっこり現れたあずさはなんだかいつもよりも溌剌としており活気に溢れている。

「あずさ、お疲れ様。なんだか今日はいつもより元気だね」

「当たり前じゃない。午後の仕事がどれだけ苦痛だったか。どれだけ時計を見てため息ついたか。やっと仕事が終わって紗夜に話が聞けるんだもん。元気いっぱいよ!」

なんだか勢い良すぎてこっちが引き気味になるくらい。でもあずさを見てるとこっちまで明るくなれる。

「さ、どこにいく?ゆっくり出来る個室がいいよね」

「じゃ、駅のそばの居酒屋行かない?あそこなら個室あるよね」

「そうだね!あそこに行こう」

即決し2人でお店に向けて歩き始めた。
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