図書館司書に溺愛を捧ぐ
あずさと別れたところでちょうど基紀さんからの着信があった。
ドキドキしながら出るといつもの声と違いなんだか低音が響いて耳をくすぐられる。
「紗夜ちゃん、クッキーありがとう。今帰ったんだ」
「お疲れ様です。少しだけお裾分けなんです」
「あれ?今、外なの?後ろが賑やかだね」
「うん。今友達と会って帰るところなの」
「駅?」
「うん」
「コンビニのところで立ち止まってて」
そういうとゴソゴソと電話の向こうで音がする。
「あのクッキー美味しいね。早速食べてみたけど勿体なくて全部食べてないよ。まだ取っておいたんだ」
「時々作るからまたお裾分けしますね」
「ありがとう。上手だから感心したよ。買ったみたいだった」
「まさか。普通の家のクッキーですよ」
なんだか耳元で息遣いが荒い。
普通に話しながらも気になる。どうしたんだろう。
「お待たせ!」
後ろから声をかけられてビックリした。
スマホと後ろからの声が同時だった。
スマホを持ったまま固まっていると、笑顔でスマホを切るように促された。
「駅にいるのなら送って行こうと思ってさ」
「お疲れなのに……」
「俺が送って行きたいだけだからいいんだよ」
そう言って私の手を取った。
また手をつなげて嬉しい。
でもまた胸の奥がギュッとなる。
「ありがとう」
他愛のない話をしながら帰るがどんなにゆっくり歩いても20分。
あっという間に家に着いてしまった。
「また明日!」
「うん」
明日、があるなんて楽しみ。
また私が家に入るのを見届けてから帰る基紀さんに手を振り家へ入った。
ドキドキしながら出るといつもの声と違いなんだか低音が響いて耳をくすぐられる。
「紗夜ちゃん、クッキーありがとう。今帰ったんだ」
「お疲れ様です。少しだけお裾分けなんです」
「あれ?今、外なの?後ろが賑やかだね」
「うん。今友達と会って帰るところなの」
「駅?」
「うん」
「コンビニのところで立ち止まってて」
そういうとゴソゴソと電話の向こうで音がする。
「あのクッキー美味しいね。早速食べてみたけど勿体なくて全部食べてないよ。まだ取っておいたんだ」
「時々作るからまたお裾分けしますね」
「ありがとう。上手だから感心したよ。買ったみたいだった」
「まさか。普通の家のクッキーですよ」
なんだか耳元で息遣いが荒い。
普通に話しながらも気になる。どうしたんだろう。
「お待たせ!」
後ろから声をかけられてビックリした。
スマホと後ろからの声が同時だった。
スマホを持ったまま固まっていると、笑顔でスマホを切るように促された。
「駅にいるのなら送って行こうと思ってさ」
「お疲れなのに……」
「俺が送って行きたいだけだからいいんだよ」
そう言って私の手を取った。
また手をつなげて嬉しい。
でもまた胸の奥がギュッとなる。
「ありがとう」
他愛のない話をしながら帰るがどんなにゆっくり歩いても20分。
あっという間に家に着いてしまった。
「また明日!」
「うん」
明日、があるなんて楽しみ。
また私が家に入るのを見届けてから帰る基紀さんに手を振り家へ入った。