図書館司書に溺愛を捧ぐ
ふと気がつくと最近よく見かけるようになった男性がいた。
長身、光の加減で少しだけ茶色みがかかったように見えるサラサラの黒髪、目尻にほくろがある30代男性。
平日昼間の時もあれば週末に見かけることもある。いつも私服をきていてオシャレだが何をしてる人なんだろう。たびたび見かけるが仕事をしてないのかな。
時折目が合うがリファレンスをして欲しそうには見えない。
今日は読み聞かせの日。15時になり子供たちが集まってきた。
6月6日、今日はカエルの日だそうなのでそれにちなんだお話を選んできた。
ケロ、ケロ、ケロ……
みんながカエルの真似をする姿はとても可愛く私にとっても癒しの時間だ。
3冊読み終わり終了すると子供たちはお母さんや友達と新たなカエルの本を探しに向かった。
私が片付けをしていると、ふと視線を感じた。
あの男性だった。
今日も来てたんだ。
彼はこっちをじっと見ており視線を外さない。
なんだろう、どこかで会ったことでもあるのかな。
彼に気がついて1ヶ月が経とうとしていた。
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