苺にはもうなれない
初めて紹介するんだ?
そう思ったら、ふわふわと心の中で何かが浮かんでいく。
コーヒーを飲みながら。
優大くんのご両親から色々と質問攻めされるかと思っていたら。
「優大はねー、小っちゃい時から音楽が好きな子やったんですよー」
とか、
「この子が小学生の時、近所の公園から猫ちゃん連れてきて!それも何匹も!あれはビックリしたわ〜」
とか、思いがけないところで優大くんの小さな頃のことを教えてもらえた。
アルバムまで見せてもらえてものすごく感動していたら、
「深雪さん、じっくり見過ぎです!」
と、優大くんが真っ赤になっていた。
小さな頃の優大くん。
とんでもなく可愛い。
「晩ごはんの支度してくるから、優大と深雪さんはゆっくりしててね」
優大くんのお母さんがそう言って立ち上がった。
「あ、お手伝いします」
私も腰をあげると、
「いいの、いいの!今日はホンマに疲れてるやろうし。優大といてあげて」
と、優大くんのお母さんはニッコリ笑った。
「……いいんでしょうか?」
優大くんに尋ねる。