苺にはもうなれない
「えー……、あっ!分かった!」
何かをひらめいたらしく、1度部屋から出て行って、またすぐに戻ってきた優大くんが、
「はい」
と、私にドライヤーを渡した。

それから床に座って、
「お願いします」
と言う優大くん。


何!?
可愛い!!

甘えん坊?
可愛い!!


心の中が大騒ぎしてしまう。



ドライヤーで誰かの髪の毛を乾かすなんて、今までの人生では未経験だった。

恐る恐る、優大くんの髪の毛を触る。



サラサラしてる!!

キレイな髪!!



「頭が気持ちいい」
優大くんがそう言って笑う。


嬉しい!!





無事に乾かし終わって。

「いつか深雪さんの髪、今度はオレがドライヤーで乾かしますね」
と、優大くんがニコッとした。


ドライヤーを洗面所に返して、部屋に再び優大くんが戻って来た。


「今日はどうでしたか?」
少しだけ心配そうな顔をしている。



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