苺にはもうなれない

「深雪さんが可愛いから、悪いんです」

優大くんはお姫様抱っこしつつ、ぎゅうっと私を抱きしめてくれる。


バタバタともがいていると、優大くんの顔が近づいてきた。



「〜〜〜っ!!!」



長いキスをされる。








……コンコン。





ハッ!!!




「優大、深雪さん、入ってもいいかー?」
優大くんのお父さんの声。



優大くんが渋々といった様子で、私をおろした。


「いいよー、何?」


ドアを開けた優大くんのお父さんは、
「あれ?」
と言って、
「深雪さん、湯当たりでもした?この部屋、暑いんか?顔めっちゃ赤いけど大丈夫?」
と、心配してくれた。



「いえ、大丈夫です!」
私は両手で顔を扇ぐ。


「ホンマ?それやったらいいけど。……あっ、優大が寝る布団、ここに運んでもいい?」


「父さん、オレが運ぶわ。ありがとう」
優大くんはそう言って、優大くんのお父さんと部屋から出て行った。




……心臓が、もたない!!




< 281 / 332 >

この作品をシェア

pagetop