苺にはもうなれない
「深雪さんが可愛いから、悪いんです」
優大くんはお姫様抱っこしつつ、ぎゅうっと私を抱きしめてくれる。
バタバタともがいていると、優大くんの顔が近づいてきた。
「〜〜〜っ!!!」
長いキスをされる。
……コンコン。
ハッ!!!
「優大、深雪さん、入ってもいいかー?」
優大くんのお父さんの声。
優大くんが渋々といった様子で、私をおろした。
「いいよー、何?」
ドアを開けた優大くんのお父さんは、
「あれ?」
と言って、
「深雪さん、湯当たりでもした?この部屋、暑いんか?顔めっちゃ赤いけど大丈夫?」
と、心配してくれた。
「いえ、大丈夫です!」
私は両手で顔を扇ぐ。
「ホンマ?それやったらいいけど。……あっ、優大が寝る布団、ここに運んでもいい?」
「父さん、オレが運ぶわ。ありがとう」
優大くんはそう言って、優大くんのお父さんと部屋から出て行った。
……心臓が、もたない!!