【完】好きだからそばにいるんだよ
祖母の手術から、2時間が経過した。一向に終わる気配がない。






長い。こんなに時間がかかるものなの?不安がさらに大きくなる。それでも1番怖いのはおばぁちゃん自身なんだ。私が怖がっていられない。






「中原さん。少し、よろしいでしょうか?」







看護師さんがやってきて、今の状況を父に説明する。父の様子を見て日和は、祖母の容体がかなり深刻なのを察した。






パパがあんなに思い詰めた顔をするなんて初めて見た。それほど今は危険な状態なんだ。







「日和。看護師さんが手術室が見える部屋に案内してくれるそうだ」






案内された場所は普段、関係者しか入れない。そこでは、モニターで手術の様子を見ることができる他、マイクで指示が出来る。






手術室では今も医師たちが祖母の治療を続けている。





祖母の意識はいまだ戻らない。呼吸も低下しているため、意識が戻らなければ死に至る状態だ。





「おばぁちゃん....。皆で見守ってるからね」





1番初めに日和の母が祖母に声をかける。日和もかけようとしたが、言葉が出ず、椅子に座って見守るしかなかった。
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