【完】好きだからそばにいるんだよ
白矢はそれを少しでも忘れようと、気分転換をしに、中庭を訪れた。







しかしそこには既に先客がいた。







それは日和、美華、紬、凛の4人。会話が聞こえてきた。









白矢は帰ろうとしたが、何故が日和たちの会話が気になった。








「あー!また日和、お弁当の後にパン食べてる」









「これが美味しいんだよ。りーちゃんには分からないかな〜?」









ぴよ吉パンを口いっぱいに頬張った日和はのんきに答えた。








「凛だけじゃなくてうちらも分からないよ。ねぇ、紬」








「ほんとそれ!しっかし、これだけ食べて何で太らないのか不思議。顔は丸いのに」









「それも可愛いんだけどね日和は」








「出た!凛の日和の甘やかし」









「皆も食べてみれば分かるよ〜。もぐもぐ」







その会話をこっそり聞いていた白矢は木の影で笑いを堪えていた。








「あんなに頬張って。ふっ、面白いな。アイツ」








白矢はこの瞬間、初めて女の子を可愛いと思い、白矢は日和のことが気になり始めた。









だけど当時は同じクラスではなかったので、会話することはなかった。








それから時は流れて2年生になった今年の春。









白矢と日和は同じクラスになった。少しずつ距離を縮めよう。そう思っていた白矢。








だが、ある会話が白矢の心を急がせてしまう。








「あれ、見てみろよ」









「ああ。中原日和だっけ?いつもパン食べている」








同じクラスの男子が日和について話していた。








「そうそう。あまり目立たない子だけど、食べる姿はなんか、可愛くねーか?」
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