【完】好きだからそばにいるんだよ
皆が起きたのはお昼すぎ。先に起きた美華、紬、凛は皆の食事を作っていた。






「わぁ...!これ、みかっちたちが作ったの?美味しそう」








お野菜はスープ、お肉は野菜を中に入れて巻いて焼かれていた。








そこに鍋の残りの汁で作った雑炊もある。これは将流くんがまた作ってくれたのかな?








みかっちたちが考えて作ったご飯。迷惑かけたのに、ここまでしてもらえるなんて。私、また涙が出そうだよ。







これは味わって食べないと。いただきます...!






「材料は鍋の残りがあったからそれで済ませたんだけどどう?」








「つーちゃんこれ、美味しいよ...!おかわり!」






味わって食べるって決めたけど、美味しすぎて早く次を食べたいと思ってしまうくらい美味しい。







「日和が元気でなにより。ね、白矢くん」






凛の他にもここにいる皆は日和をとても心配していた。食欲があるか、また涙を流すことになるんじゃないか。






食事をするまでその不安は続いていたが、日和の食欲を見て一安心した一同。







「あぁ。日和、これ食べたらおばあさんのところに行くんだろ?」







「うん。面会時間は夕方までだから早めに行きたいな。もぐもぐ」







ご飯を食べていた日和は見覚えのある食べ物を口に頬張り始めた。







「日和?今ご飯食べたのに何食べてるの?」







あまりに衝撃的だったため、木乃実はあ然としてしまった。







「ん?どうしたの皆。私の顔に何か付いてるの?」







「あんたねぇ...。なんでぴよ吉パン食べてるの!?」







「えと、これはデザートで...。やっぱり、落ち込んだ時はぴよ吉パンを食べて元気を出さないとね!」







日和の前向きな回答に、一同は大笑い。いつもの日和だ。皆そう思った。






わっ!?み、皆何笑ってるの?ぴよ吉パンはいつも食べているのに。






「日和らしいな。ふふっ」







「白矢くんも。どうしてそんなに笑ってるの?もぐり」








食べている顔が変だったのかな?今度ぴよ吉パンを食べている顔を鏡で見てみよう。








それにしてもぴよ吉パンは変わらず美味しいな〜。あと、3つは食べれるね。






もぐもぐもぐもぐ... もぐもぐもぐもぐ....






ぴよ吉パンは日和にとって、元気の源。そして、祖母が与えてくれた笑顔になる魔法のパンだ。
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