【完】好きだからそばにいるんだよ
祖母を車に乗せ、日和も隣に座ってドアを閉めた。いよいよ出発だ。









「日和のおばぁちゃん」









木乃実はあの時、日和の祖母に直接言えなかったお礼を伝えた。









「木乃実ちゃん。日和ちゃんと仲良くしてくれてありがとねぇ」










「おばぁちゃん、私こそありがとう。私と真剣に向き合ってくれて。元気でね」









「ふふふ。また会いましょうね。私も木乃実ちゃんとはまたお話したいわ」










「うん。日和、私と友だちになってくれてありがとう。また..会おうね!」










この日は泣かないと決めていた木乃実。しかし、大切な友だちとの別れ。耐えきれず涙を流してしまった。









日和も木乃実の涙を見てもらい泣きをして、別れを惜しむ。










「私、木乃実ちゃんと友だちになれて本当に良かった!絶対また会おうね!」










「うん...!桐斗もほら!」










「木乃実がこんなに話すようになったのはお前のおかげだ。ありがとな日和。あっち着いたら連絡しろよ?白矢たちによろしくな」










「私は何もしてないよ。桐斗くん、再会できて嬉しかった。次は何年後に会えるかな?なーんてね」










「おいおい日和がそんなこと言うなんて珍しいな。すぐ会える」








「えへへ。ありがとう桐斗くん」








エンジンの音が鳴り、車が発信した。日和は窓から顔を出し、2人に大きく手を振って別れを告げた。






また会おう。私の大切な場所。大切な友人。そして今までありがとう。私を支えてくれて。







この借りはいつか返します。その時はまた、皆でお鍋を囲んで食べようね。









日和の家の車が見えなくなったあと、桐斗と木乃実は家の方を足を向けて歩き出す。
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