【完】好きだからそばにいるんだよ
「行っちゃったね。桐斗って別れのシーンで泣かないんだね」







「男は大事な時にしか涙は流さないものだ。寂しいか?」








「寂しいよ。大切な友だちと離ればなれになったんだから...。別れってこんなに辛いんだね」









桐斗の手が木乃実の頭の上に乗る。木乃実は驚いて桐斗の方を見上げた。








「俺は絶対木乃実から離れねーから安心しろ」









手を離した桐斗はさっさと歩いていく。木乃実はその言葉が理解するのに時間がかかった。









「ちょっとそれ、どういうこと!?ねぇ、桐斗!」








「うるせーな。そのまんまの意味だよ」







「もっと具体的に...!」








「絶対言わねー!悔しかったら俺を捕まえてみろ木乃実」









桐斗は走り出した。木乃実はその答えが聞きたくて全力で桐斗を追いかける。








その答えを聞けるのはそう、遠くはないだろう。
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