【完】好きだからそばにいるんだよ
高速を乗り継いで、遂に帰ってきた中原家。久々の街に懐かしさを感じる。






ただいま。帰ってきたよ。








家は前に住んでいた家のまま。しかし、違うところが少しある。








家の中は祖母が住みやすいようにバリアフリーのリフォームがされていた。










これで新しい生活を気持ちよく送れる。両親は引き続き、この街でパン屋を営む。










引越しの荷物を積んだトラックが到着し、家の中にダンボールが運ばれる。









運ばれ終わったところに美華たちが荷解きを手伝いに来た。








「日和ー!」






相変わらずの凛。日和に真っ先に抱きついた。








「りーちゃん久しぶり。みかっちとつーちゃんも!」








「手伝いに来たよ!白矢くんはあとから来るってさ。あ、おばさん。それ持ちます!」








「美華ちゃんありがとう」









紬、凛も荷解きを手伝い始める。









途中、白矢も来て、重い荷物を率先して運んだ。日和の父はまだまだ白矢を警戒中。










そんな父だったが、重い荷物を運ぶのを手伝ってくれた白矢にちょっとキュンとしてしまう。その様子を見て、日和はなぜか心が疼いた。









「パパ!白矢くんは私のなんだからね!」









「日和にはまだ彼は早い」









「もう!パパはママがいるでしょう!?白矢くん、こっち手伝って」







全くもう。ていうかパパがキュンってなるなんて...。








白矢くんはカッコイイから、キュンとなるのは分かるけど、娘の彼氏だからそこは遠慮してほしいな。







「うん。日和、俺はちゃんとキミのだから安心しろ」






・・・!





耳元で囁かれた日和は頭から煙が出るほど赤面した。








白矢はその姿を見て、もう少しイタズラしたいのをぐっと堪える。
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