【完】好きだからそばにいるんだよ
白矢くんも白矢くんだよ...!こんなところでそんなセリフを言うなんて。








私がキュンってするの絶対分かっていて、そんなこと言ったんだ。









ずるい!皆に聞かれたら私、恥ずかしくて家にいられないよ。








どうせなら、2人っきりの時に言ってほしかった。その言葉は嬉しいけどさ。









荷解きの半分が終わり、休憩をとることにした。日和と白矢はその間、散歩に出かける。








「ごめんね急に。久しぶりだから歩いてみたくて」








やっぱり帰ってきたからには2人っきりでいたい。さっきはちょっと、意地悪なこと思っちゃったし。







今日の私はいつもよりワガママだ。







「いいよ。俺も日和と一緒に出かけたかったし。日和、改めておかえり」








それでも白矢くんはそんな私を受け入れてくれる。








「ただいま白矢くん」









歩き進めると、公園の湖に着いた2人。









日和は引越し前に桐斗たちからサプライズパーティを開いてくれたことを白矢に話していた。










「それでね、皆からアルバムを貰ったんだ。写真には白矢くんも写っていたんだよ」









「へぇ」








「今度一緒に見ようね!そうだ。そのアルバムの最後には皆からのメッセージがあったんだ」









「メッセージ?」









「うん。短い間だったけど、クラスの皆や友だちと過ごせて楽しかったよ。寂しかったけど、これもいい思い出だよね」










「また会える」









「そうだね。ねぇねぇ白矢くん。手、繋いでもいい?」









白矢は『いいよ』と言い、日和と手を繋いだ。









「珍しいな。日和がこんなこと言うなんて」









「う、うん。その、白矢くんと離れていて寂しかったから。早く手を繋ぎたいなって....」



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