【完】好きだからそばにいるんだよ
先に思い出したのは桐斗。気づくなり、まじまじと日和を見始めた。







「そうよ。保育園のから変わらず可愛いままで。桐斗とは大違いね」








あっ...!思い出した。






保育園の時、1番仲が良かった男の子の桐斗くんだ!








だから写真の男の子と同じに見えたんだ。









小柳 桐斗(こやなぎ きりと)。日和とは保育園時代の1番の友人であった人物。









日和が見た写真には2人仲良くピースをして写っているほどの仲良しだった。








「桐斗くんだったんだ。あんまり変わってたからびっくりしたよ」







「俺もだ。日和元気してたか?」







「うん。桐斗くんは?」







「俺もこのとおり元気だ。またこっちに住むのか?」






「うん。春にはあっちに戻るけど....」








「そうか。短い間だがよろしくな」







「こちらこそよろしく」









幼なじみとの久しぶりの再会。







まさか知り合いに会えるなんて思っていなかった日和は、ちょっぴりホッとした。








帰り道。日和と桐斗の母親たちは積もる話をするため、近所のカフェへ。








残された日和と桐斗は久しぶりに2人で町を歩きながら保育園時代を振り返っていた。









「あ!あの公園でよく遊んだよね」





「そうだな。確か日和は鬼ごっこの鬼のことを忘れてパン食べていたよな。あの時は驚いた〜」








昔からパン好きだった日和。







その頃からカバンの中はパンでいっぱいで、暇さえあればずっと食べていた。








「うぅ...!私、そんなことしてたんだ。全然覚えてないや」







「俺はバッチリ覚えているぜ!昔っからどこか抜けていたもんな日和は」









「そ、そんなことないもん...!むぅ〜」








赤く染った頬を膨らませて怒る姿はヒヨコそのものだった。







そんな日和の顔を見て、桐斗は笑いだす。
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