【完】好きだからそばにいるんだよ
「いいわね。おばあちゃんも一緒に作りたいわ」





「おばあちゃんも!?」





「えぇ。ダメかしら...」





「ダメじゃないけど....」





日和は迷った。祖母と衣装作りをできるのは嬉しいけど、体調のことを考えればあまり無理はさせたくない。






その無理がきっかけで祖母の体調が悪化したらと考えるととても不安になる。







「いいんじゃないの」





「ママ...!」





「日和はおばあちゃんの体調を気にしているのよね?」





「...うん。もし、無理をして体調を悪くしたらどうしよって....」






「日和ちゃん...」





「でもね、おばあちゃんはそれでも日和と衣装を作りたいのよ。




ずっと会えなかった分、おばあちゃんは日和との思い出をたくさんつくって、残り少ない時間を、楽しい人生を歩みたい。そう思っているんじゃないかしら」





「そうなの?おばあちゃん」







「えぇ。おばあちゃんはね、日和とまた会えなくなったらどうしようっていつも思っているの。おばあちゃんの残された時間は少ないから。







だから今は日和との思い出がたくさん欲しいのよ。もちろん、日和が迷惑ならおばあちゃんは諦めるわ....」







「ううん。迷惑じゃないよ...!私はママの言う通り、おばあちゃんの体調が心配で。一緒にやろう。私もおばあちゃんと一緒に作りたい...!」
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