【完】好きだからそばにいるんだよ
遡ること5か月前。新学期が始まって、新しいクラスになった日和は今と変わらずパンを食べてのんびりとお日様に当たっていた。









「今日もぴよ吉パンは美味しい〜。お日様も暖かくていい新学期日和だな。もぐもぐ」








学校の中庭は年中お日様が当たる唯一の場所。







パンを食べながらその場所を目指していた日和。







目的の場所に着いて日向ぼっこをしながらパンを食べているとそこに白矢がやって来た。







「中原さん」







「もぐもぐ。えーとどちら様ですか?」







わぁ〜。カッコイイ人。先輩かな?








まだクラスが変わったばかりで白矢のことを認識していなかった日和。








それとは逆に、白矢は日和のことを知っていた。








「同じクラスの白矢だ。単刀直入に言う。俺と付き合ってほしい」







ん?付き合う?私と?







夢中になっていたパンが日和の口から離れた。驚いてしばらくキョトンとしていた日和。









「あの、中原さん?」









「う、うん。えーと、その...いいよ?」







いい人そうだし。いいよね?







初めて男子から告白された日和は状況を把握しないまま告白をOKし、それから2人は付き合うことになった。








そして時は現在に戻る。








「中原」








「なーに?」








「俺が来る前、皆と何話していたの?」








「んとね、私たちが全然恋人っぽくないって皆が言って。それで私たちのどこか悪いか話していたの」









「どこか悪いところあった?」








「悪いところは出てこなくて皆逆に頭を抱えていたよ」
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