【完】好きだからそばにいるんだよ
「小柳桐斗くんっていって、私の幼なじみなんだ。小さい頃、ここに住んでいた時に保育園が一緒だったんだよ」






「ふーん。日和はアイツのこと、名前で呼んでいるんだ」






「うん」






「俺も今度名前で呼んで?彼氏の俺を差し置いて、名前で呼ぶのはずるいから」






白矢くん嫉妬しているのかな?明らかに目が笑ってない。






「分かったよ。今度呼ぶね?」






「うん」






笑った。分かりやすいな。






「じゃあ行こうか。出店回りに。ん」





白矢は手をもう一度、日和に差し出した。






「転校してから寂しかった分、今日はずっと一緒にいるから」






「・・・!!」





な、何急に。白矢くん、私が転校してからなんか変わった?目を合わせずらいよ。






「なんで逸らすんだ?こっち見てよ。日和の顔、見れないと楽しくないから」






「だって....急に恥ずかしくて」







急に恋人みたいなことする白矢くんがかっこよく見えて。なんかずるい。私ばかりドキドキして。







「久しぶりだからだろ?それは俺も同じだ。恥ずかしくたっていいだろ。それに、手を繋げば、『俺のもの』だってさっきの幼なじみに見せつけられるし」






「なっ!?」





益々恥ずかしくなった日和は顔から火が出るほど熱くなった。






「もう覚悟を決めて繋がないか?」





「う、うん」
< 58 / 135 >

この作品をシェア

pagetop