【完】好きだからそばにいるんだよ
「良かったな。悪いところなくて」







「そうだね」









これが本当にいいのか。







悪いところがあった方がお互いを理解出来るんじゃないのか。








日和はそう考えながら昼食を終えた。









「日和、午後はアンパンなんだ」







「ん?もぐもぐ。りーちゃん。なんかさっきから頭がモヤモヤしててね。それでアンパン食べたくなって.....」









「な、何言ってるか分からないけどそうなんだ....」









気分が落ち込んでいたり、悲しいことがあるとアンパンを食べたくなる日和。ちなみに餡は粒あんだ。









日和いわく、粒あんの粒が涙の雫に似ているから食べているのだとか。










日和は次の日もアンパンを食べていた。その度に難しい顔をしていた。







美華たちはそんな日和に違和感を覚えた。









学校からの帰り道。日和は変わらずアンパンを食べながら難しい顔をしていた。









「日和昨日から難しい顔しているけど、どうしたの?」









紬が話しかけると、日和はアンパンを咥えながらピタッと立ち止まった。









「むぐぐ...。そんなに難しい顔してた?」









アンパンを口から離して紬の質問に答えた。








「してるしてる。てか、アンパン食べている時点でなにかおかしかったもん」








「紬の言う通り。日和がアンパン食べている時って、何か悩んでいるときだからすぐ分かるよ。ねぇ、美華」









「そうそう。中学から一緒のうちらだから分かる日和の特徴。で、何をそんなに悩んでいたの?」
< 6 / 135 >

この作品をシェア

pagetop