【完】好きだからそばにいるんだよ
「ちょっとそれ、どういうこと白矢くん!?」







私のどこがずるいの?今のは絶対、キスをした白矢が1番ずるいよ...!








こんなに私の心臓をドキドキさせて。どうしよう。白矢くんと離れたくないって思ってしまう。








「教えるはずないだろ?日和の可愛いところをもっと見ていたいんだから」







チュッ






再びされたキスは日和を更に混乱させることになった。






「もう...!白矢くん意地悪!」






むぅー。いつか絶対聞いてみせるんだから...!






白矢の意地悪は納得いかないけど、また少し、白矢との距離が縮まって嬉しい日和だった。







体育館に戻った日和たち。入口の前には桐斗と木乃実、広瀬姉弟が待っていた。







そしてそこで将流が広瀬亜子の弟だと日和に知らされる。







「えぇーーー!?将流くんが広瀬先輩の弟!?」






確かに話し方とかそっくりだったな。








進行とかもスムーズで、待っている間、他の人の告白を聞いている時も楽しかったし。







「この度は弟がご迷惑おかけしました」







将流と一緒に広瀬も頭を下げて皆に謝罪をする。







「中原先輩、矢島先輩。ごめんなさい」







「いやいや気にしなくていいよ。最初は驚いたけど、結構楽しかったよ?ねぇ、木乃実ちゃん」






日和が木乃実の方を見ると、木乃実は腕を組みながら将流の方を見た。







「私も全然気にしてないから。次やるなら嘘なんかつかないで、正々堂々と大会に人を誘いなさい」







まだ納得してない木乃実だが、今日のところはこれで勘弁することにした。






「はい」





将流と和解した日和と木乃実。すると白矢はスマホを取り出して時間を確認し始めた。






「あ、そろそろ時間だ」






「帰る時間?」






日和が聞くと白矢はコクンと頷いた。






「私、駅まで見送るよ」






日和はぴよ吉さんのポンチョを脱ぎ、教室からカバンを持って白矢と一緒に駅に向かう。



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