【完】好きだからそばにいるんだよ
お、重い...。りーちゃんの気持ちは十分伝わってるよ。けど、うおぉぉぉ...!






凛の体重に耐える日和の足はプルプルと震え始め、そろそろ限界になってきた。






「原田、そろそろ離してやれ。日和の足が折れる」






「チッ、分かったよ。日和ごめんね」





せっかく大好きな日和にくっつくことができたのに、それを白矢に邪魔されて凛はちょっぴり不機嫌に。





しかし、日和のことを考えればやり過ぎたと反省した。






「いいよ、りーちゃん。あ、そろそろ時間だから急がないと...!」







日和が何故、急ぐかというと、これから行くスーパーでタイムセールがあるからだ。






今夜は大勢の人が家に集まるからなるべく安く食材を手に入れなきゃならないの。





ママからもそう言われているし。









「タイムセール開始でーす!」







「みかっちはお鍋の素。つーちゃんはお肉、りーちゃんはお魚をお願い。白矢くんは私と一緒にお野菜を買うのを手伝って!」







的確に指示して、手分けして食材を手に入れる作戦だ。









これは日和がチラシの広告を見ながら母と相談して決めたこと。







「「「了解!」」」






皆それぞれに頼まれた食材を手にしてレジに向かった。







「こんなに沢山。お金足りるの?」





美華は心配するが、日和は「大丈夫」と言ってレジに通す。








日和の見立てどおり、お金は足りて、食材を購入することが出来た。







「凄いな。ほぼ、ピッタリだ」






「へへーん!事前に計算しておいたからね。これで今夜はバッチリ。早く帰って準備しないと皆が来ちゃう...!」






「え、ウチらだけじゃないの?」






自分たち以外に誰が来るんだろうと美華たちは疑問を抱く。







「みかっちそうだよ!でもそれは内緒。会ってたからのお楽しみ」







白矢は何となく分かった。日和が他に呼んだ人たちのことを。









それは、白矢も一度会っているある人物たちだ。
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