winter love
「彩奈、送ろうか?」

「大丈夫だよ!太一さん待ってるんでしょ?」

「太一よりも彩奈が心配。」

「タクシーで帰るから大丈夫だよ!心配してくれてありがとう。また明日!」

「気をつけてねー。」


タイミングよくタクシーも来て一安心。
早く帰って寝よう。


マンションの前で降りると
見覚えのある車が停まっていた。

「あーやな♪」

「ち・しまさ・・ん?」

「一緒に帰ろうと思ったのに先に帰っちゃうから焦ったよ。よかった会えて!」

「何の用ですか?」

「彩奈が体調悪いって聞いたから、看病しようと思って!」

「私は大丈夫なので。」

「待てよ!」

「やめてください!」

「この俺が気にかけてやってんのになんだよお前は。いい加減にしろよ!」

『おい、待て』

「何だよお前は?」

「彩奈が嫌がってるだろ?」

「嫌がってるわけないだろ!ほら行くぞ。」

「やめて!」

「ほら嫌がってだろ。証拠の動画も撮ってるからな!」

「な、なんなんだよ。早乙女、お前覚えてろよ!!」


「彩奈大丈夫か?」

「速水さん・・どうしてここに?」

「彩奈が返事くれないから、心配で来てみた。
やっぱり友達の所には行ってなかったんだね。」

「わ、私・・・」

「とりあえず乗って!」

速水さんが来てくれてなかったら
私はどうなってたのかな・・・?
考えるだけで怖い。
速水さんの車に乗ってるだけなのに
隣に彼がいるだけなのに
安心して涙が出てくる。

苦しいよ・・・
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