地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
新たな出会い
わぁ~すっごく綺麗…
池の中では鯉が気持ちよさそうに泳いでいた。
大きな鯉だなぁ~。大きい種類なのかな?
私はそんなことをボーッと考えながら池を眺めていると視界の端で誰かがこっちを見ているのに気が付いた。
私は人が居る方を見ると旅館の廊下から着物を着た男性がこっちを見ていた。
あれ?私何かしたっけ?
と、とりあえず部屋に戻ろうかな…
そう思ったとき私の頭にある疑問が浮かんだ。
……あれ?部屋ってどこだろう。
ま、ままま、まさか…迷子?
私は一気に青ざめた。
ど、どうしよう…道なんて分かんないよ…
私が不安でおろおろしていると
「大丈夫ですか?」
と、さっきからこっちを見ていた人に声をかけられた。
「あ。だいじょ…うぶじゃないです。」
私迷子だよ。大丈夫じゃないよ…
「あの。俺、ここで働いているので何か困ってるなら助けれますけど…」
えぇ!なんて運が良いの!そこの人に聞いてみよう!
「あ、あの!わ、私、今日ここでお見合いがあって…でも、部屋を知る前に探索しちゃって…」
「それって……迷子…」
は、恥ずかしい…
「部屋…知りませんかね。」
「…確か、今日お見合いがあるのは西側の部屋だった気がします。」
西側…
「ありがとうございます!」
私はその場を立ち去ろうとしたが男性に手を捕まれた。
「あ、あの?」
どうしたんだろう?もしかして何かしちゃったかな?