地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
「初めまして。僕は八坂 瑠斗です。」
「八坂さん…」
「知っているとは思いますが八坂財閥の御曹司です。」
へぇ~。そうなんだ知らなかった。
私がキョトンとして見つめていると
「…もしかして知りませんでした?」
「す、すみません…失礼ですよね…。」
私がシュンとしていると
「クスッ」
と、笑われてしまった。
え?え?私、何かしたかな?
「す、すみません…表情がコロコロ変わるのが可愛くて…」
か、かわ!?
私は少し恥ずかしくなった。
イケメンさんって凄いな…お世辞だって分かってるのに恥ずかしくなっちゃう。
でも、本当に写真で見た通りかっこいいなあ~。こんな人とお見合いするんだ…。
と、現実を受け入れていると。
「そろそろ時間なので行きませんか?」
「え?」
私が自分のスマホを確認すると時間は11:35だった。
嘘!私こんなに長居してたの!?
「す、すみません!」
どうしよう…お母さんに怒られる…。
「では行きましょうか。」
そう言うと瑠斗さんは手を差し出してくれた。
これって、手を置くのかな?
私はそっと瑠斗さんの手に自分の手を重ねた。
やっぱり恥ずかしい…
私たちは西の部屋へ向かった。