地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
私たちは西側の部屋にたどり着いた。
ここだったんだ…
私は襖に手を置き、部屋に入った。
部屋の中には低い机があり、私の両親が左側に。八坂さんのご両親が右側に座っていた。
私は八坂さんのご両親に向かって頭を下げた。
「遅れてしまって申し訳ありません。」
私は怒鳴られる覚悟で待っていた。すると…
「あらあら!貴方が真彩ちゃんなのね!」
と言って八坂さんのお母さんが私に抱きついてきた。
「え?え?」
「写真より数倍可愛いわぁ~!」
しゃ、写真?…あ。そっか。私の方も八坂さんの顔を知っているんだから八坂さんたちも私の写真を見ていてもおかしくないよね。
「あ、ありがとうございます…」
私がお礼を言うと
「まぁ!声まで可愛いのね!真穂ちゃん、こんなに良い子うちのにはもったいないわぁ~!」
真穂ちゃん?
お母さんの方を見るとニコニコ笑っていた。
知り合いなのかな?
「そんなことないわ!梨奈ちゃんの息子さんの瑠斗くんの方がすっごくかっこいいもの!」
梨奈ちゃん?は、きっと今私に抱きついている八坂さんのお母さんだよね。やっぱり知り合いなんだ…
「母さん。そろそろ離してあげなよ。」
八坂さんがそう言うと梨奈さんが私から離れた。
「ごめんなさいね。すっごく可愛い子だからテンション上がっちゃって…」