地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
「全然大丈夫です!むしろ梨奈さんのような可愛い方に抱きしめられて嬉しかったですし、いい匂いしたし……」
……わたしなに言ってるんだろう。
私は、恥ずかしくなって下を向いた。
「す、すみません変なこと言って…」
気持ち悪がられちゃったかな。
「……真穂ちゃん。」
「言いたいことは分かるわ。」
お母さんも気持ち悪いって思ったの?
「「真彩(ちゃん)は、素直でいい子すぎる…」」
え?良い子?
私が驚いた顔で二人を交互で見つめていると
「そろそろ座りなさい。」
と、八坂さんのお父さんが梨奈さんに言った。
「え~!でも─」
「お見合いが進まないだろう。今日は二人のためにもうけた場所なんだから。」
そう言うと渋々、梨奈さんは元いた場所に座った。
……なんか。私の両親と八坂さんのご両親が座ると絵になるなぁ~。
そんなことを考えていると
「真彩も瑠斗くんも座りなさい。」
と、お父さんが言った。
私たちはお互いの両親の間に座った。
き、緊張してきた。
私がガチガチに固まっているといつの間にか私と八坂さんの二人で話すことになったらしく私たちは廊下に出た。