地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
「真彩さん。少し歩きながら話しましょうか。」
「あ、はい。」
私たちは外の景色を見ながら廊下を歩いたり
「真彩さんはどうしてお見合いをしようと思ったんですか?」
「えっ。あ……失恋…しちゃって…」
そう言うと八坂さんは、驚いた顔をしてこっちを見た。
「真彩さんのような綺麗な方が?」
「そんな…綺麗じゃないです。普段は地味でこんなに綺麗でもないんですけど…。今日はお母さんが張り切ってくれたので…」
お母さんにちゃんとお礼しないとな…
「……じゃあ、どうして僕なんですか?」
八坂さんは、何かを見定めるような目をして聞いてきた。
「えっと…写真を見ていたら八坂さんがいて、かっこいいなぁ~って思ってみてたらお母さんが私が八坂さんを気に入ったと勘違いしてしまって…」
まさかちょっと見てただけで勘違いされるなんて…
「…じゃあ、自分で僕を選んだわけじゃないんですか?」
っ!し、失礼なことを言ってしまった…
「い、いや!でも!かっこいいって思ったのは事実ですし!その、適当に選んだわけじゃないんですよ?」
私があわあわしながら説得していると八坂さんは優しく笑った。
っ!……変なの…。鼓動が…いつもより早い?
私は照れて赤くなった顔を隠すように口元だけ隠した。