地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。

私はほっと胸をなで下ろした。

「一緒に食べましょう?」

「は、はい。ありがとうございます。」

私は梨奈さんに肩を押されて客室らしき所に案内された。

やっぱり部屋も豪華…

「好きなところに座ってね!」

私がソファーに座るとその反対側に八坂さんと、八坂さんのお父さんが座った。そして私の隣に梨奈さんが座った。

メイドさんが私が持ってきた和菓子をお皿に飾って持ってきてくれた。

「さあ。紅茶でも飲みながらお話ししましょう?」

「は、はい。」

「真彩ちゃん!早速なんだけど…」

「な、なんでしょう?」

な、何か指摘されたりするのかな?怒られる?

「お義母さんって呼んでみてくれないかしら!」

その発言に八坂さんは飲んでいた紅茶を吹き出しそうになったのが視界の端で見えた。

「え?えっと…」

よ、呼んでいいんですか?まだ、婚約の段階ですよ?

「だめ…かしら?」

梨奈さんは軽く上目遣いで私を見つめた。

か、可愛い…。人生の先輩を可愛いって思ったら失礼かもしれないけど可愛い…。

私が困っていると

「母さん。真彩さんが困っているだろう?」

と、八坂さんが助け船を出してくれた。

「えぇ~!でも美人さんの真彩ちゃんに早く呼んでほしいんだもの!」

うぅ~。そんなに期待されたら断りづらい…

「呼んでくれないかしら?一回だけでいいの!」

ぐぬぬ…

「お、お義母さん…」

うぅ…恥ずかしい…
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