地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。

『症状が軽いからすぐ退院できてよかったね。』

『ん~。そうなんだけど~!またなったら怖いわ~!』

『大丈夫じゃ─』

『疲労とかストレスが原因らしいからちょっとお父さんと旅行行ってくるわ~!』

『……ん?』

『4日間だけだから家のことは頼んだわ~!』

『…は、はあぁぁぁぁぁぁぁ!?』

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「ってことがありまして…」

「…真彩の家ってメイドさんとか…」

「居ないんだよね…」

家事は何でもお母さんがやってくれてたから…

「別に旅行は反対じゃないんだけど急すぎて…」

もうちょっと事前に言って欲しかった。

「……あ、あれ?真彩ってさ…家事……壊滅的じゃなかった?」

はい。そうなんです。私…料理以外家事できないんです。

だって!お母さんが大体やってくれるから何も手伝えないんだもん!

私、悪くないよぉ!

「どうするの!?」

「どうしよう…」

むむむ…知り合いで家事できそうな人…

さすがに瑠斗さんに頼るのは失礼な気がするし…。神谷くんは…気まずくて無理。……時雨くんはできるイメージが沸かない…。

私が困っていると

「私のお兄ちゃん貸そうか?」

「……ん?」

お兄ちゃんを貸す?変なワードが聞こえてきた…。気のせいかな?

「私のお兄ちゃん、大学生なんだけど、今は休みで家で暇そうなの。家事全般できるから使えるよ?」

気のせいじゃなかった。
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