地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
「……分かった。」
やっと諦めてくれたのかそう言って少し眉を下げていた。
な、なんか可愛い!子犬みたい!なでたい!
と、私の可愛い物好きレーダーが発動してしまった。
うぅ。でも、なでたら怒られそうかも…。いやいやでも…
私が頭の中で奮闘していると時雨君に腕を引っ張られた。
「きゃぁっ!」
な、なになに!?
「何かされそうになったら言えよ。すぐに行くから。」
と、耳元で囁いた。
「う、うん…」
そう言って電話番号が書いてある紙をサッと渡してくれた。
「ありがとう…」
私は嬉しいのと恥ずかしいので下を向いて小さな声でお礼を言った。
「ん。」
ちゃんとお礼が聞こえたのが頭をくしゃっとして時雨くんは帰って行ってしまった。
あ…もう行っちゃった。
私はなぜこのとき寂しく思ったの分からなかった。
「さて。帰ろうか真彩ちゃん。」
「あ。はい!」
私たちは家に帰っておいしいオムライスを食べました。
「とってもおいしかったです!」
「それはよかった!」
こんなにおいしいなんて…晩ご飯も楽しみ!
「私、部屋に戻るので何か聞きたいこととかあったら言ってくださいね。」
「あぁ。ありがとう!」
私はそれだけ伝えて部屋に戻った。
課題しようかな…。最近社会について行けないんだよね…。現代社会と政治経済の復習しようかな…。
私は習ったところの復習をし始めた。
黙々と勉強をしていると時雨君のことをふと思い出した。
そう言えば電話番号…。
私はさっきのメモをポケットから取り出して連絡先に追加した。