地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。

真彩ちゃんの危機？

【瑠斗side】

俺は今、真彩ちゃんの家に向かっている。

この間俺の家に来てくれたから俺も行ってこいと親にたたき出された。

なんとも今、真彩ちゃんは家で一人らしい。

親には

『真彩ちゃんに変なことしないでよ～？も～！』

と、言われた。流石にまだ手は出さない…と思う。そこは理性との勝負だから。

そんなこんなで歩いていると案外すぐに着いた。

意外と近くなんだな。

家の外見は普通の一軒家のようだが地下が三階まであるらしい。

インターホンを押すが誰も出ない。

真彩ちゃんは家に居ないのか？

と、思い一応連絡を入れておく。

[今、真彩ちゃんの家に着いたんだけど、どこに居るの？]

返事どころか既読すらつかない。

これはあんまり使いたくなかったんだけどな…。

俺はキーケースから真彩ちゃんの家の鍵を出した。

お見合いで婚約が決まったときに真穂さんがくれたものだ。

俺は鍵を使って真彩ちゃんの家に入る。

靴は…ある。

玄関には真彩ちゃんの靴と俺の靴のサイズと変わらない男性ものの靴があった。

誰か来てるのか？

そう思うが一階に人が居る気配はない。

「真彩ちゃ～ん？居る？」

と、少し大きめな声で玄関から叫んでみる。

すると

「る…さ……きちゃ……」

と、本当に小さい声で聞こえた。

「真彩ちゃん？」

「ほんと………ダメ…」

俺は真彩ちゃんが何かされてるのではないかと危機感を覚え二階に上がった。

「真彩ちゃん！？ここ？」

俺は真彩ちゃんの部屋らしき扉の前に行き、聞いてみる。

「る、瑠斗さん！？こ、来な──」

俺は真彩ちゃんが居るのだけ分かるとすぐに扉を開けた。

「真彩ちゃん!!!」