地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
……ここ…。どこ?
私は来たことのない場所に来て恐怖を感じた。
か…えろう。とりあえず…ここに居たらダメよね…。
私は来た道を戻ろうとした。
だが後ろから腕を掴まれてそれはできなかった。
『きゃっ!』
『お姉さん可愛いねえ…。俺たちと遊ばない?』
私は柄の悪い人達に絡まれた。
『離してちょうだい!』
私は大きな声でそう言うが誰も見向きもしなかった。
『ちょっとそこのホテルに行こうか!』
あぁ。今日は最悪な日だ。私はこのまま…
私は最悪の可能性を考えて震えてしまう。
何も抵抗できなかった。
もうダメなんだな。
そう思ったときだった。
『女性を無理矢理ホテルに連れて行くのは感心しませんね。』
誰かが私の腕を掴んでいる柄の悪い男の腕を掴んだ。
渡は下を向いていた顔を上げてその人を見た。
そこには凄く整った顔立ちをしている着物姿の男性がいた。
『大丈夫ですか?』
男性は優しく私に聞いてきた。
『あ…』
私は涙を流しながらコクコクと頭を縦に振った。
『少し待っていてくださいね。』
そう言って優しく笑った彼に私は惹かれずにはいられなかった。
『お前なんだよ!離せよ!今からこのことお楽しみなんだよ!』
男が大声で怒鳴るけど着物の人は全く怖じけなかった。
『貴方こそ離しなさい。こんな暗い時間にいる女性を無理矢理ホテルに連れ込むなど男の風君にもおけない。』
男はくそっ!と言って走って行ってしまった。