目覚めたら初恋の人の妻だった。
身体の痛み、心の痛み
頭が割れる様に痛い・・・
寝ているのは解る・・だけど頭が痛い・・きっと目が覚めたら私は
酷い頭痛に悩まされるのが解っているからこのまま夢だと思って
眠り続けたい・・なのに・・もう起きないと,と思う気持ちもある。
お母さんが言っていた記憶・・なんの事だっけ?
考えたくないのに
「柚菜 柚菜 起きて・・お願いだから・・」
止めて私を現実に引き戻そうとしないで。
辛い、辛い、辛いのはもう沢山なの!
お願いだからこのまま死なせて・・
最後の死なせてって言う自分の夢の呟きに驚き目覚めた。
私、なんでそんな事を思ったんだろう・・・
「柚菜、起きた?」
そこに居たのは
「カズ兄 どうしたの? なんで居るの?」
何時も笑顔でいるのにどうして、そんなに傷ついた顔をするの?
ズキっと痛む胸と頭に
「っううう・・・」
「柚菜、痛むのか? 何処が痛い?」
私の肩に触れるその手にドキンと胸が高鳴るが、その薬指に光るプラチナの
シンプルな指輪が目に留まった
あ・・・記憶を失くしている数年の間にカズ君は結婚したんだ。
相手は・・考えなくても一人しか居ない・・・
ポロポロと零れ落ちる涙にカズ君は驚き慌てて
「柚菜、待ってて先生呼ぶから・・」そう言ってナースコールに向かって
話しかける。
違う、この涙は痛いのは身体じゃない心だよ・・
駆け付けた看護師さんが
「加瀬さん、大丈夫ですか?」・・
カズ君の心配じゃなくて私の心配してよ・・そりゃ 解るよ・・
カズ君みたいにイケメンで、洗礼されていて、何処からどう見ても
完璧が絵に描いている様な人物だからって患者を差し置いて、付き添いの
心配をするなんて・・女の私が記憶を失くしたショックで暴れたのかと
思われたにしてもだよ、私は女でベッドに伏せた人間、
暴れてもたかがしれてるでしょ?
先ずは患者を心配して欲しい・・
しかも私、色々なのに繋がれて起き上がれないんだから暴れないよ。
イケメンに対する暴言を警戒している????
カズ君が私の代わりに看護師さんへ
「起きて涙を流すほど痛みに耐えているみたいなんです。
お願いです。柚菜の痛みを緩和させて下さい。」
「何処が痛みますか?」
今更・・・・最初に聴いて欲しかったよ・・・
「頭が割れえる様に痛いです。それに息がしづらいです。」
「今、先生を呼びますからね・・」
頭がさっきよりズキズキと痛む、そして胸も痛い・・
でも、この痛みは知っている。
中学2年の夏に感じた痛みと同じ。
私はカズ君の指輪に傷ついてるんだ・・でも、この痛みは耐えられる。
だって、中学生の時に経験して克服出来た痛みと同じだから。
これは多分大丈夫だ。私はもっと辛くて哀しくて苦しい痛みを知っている。
だからこの痛みは大丈夫。
待って・・私、今 この痛みよりも苦しい痛みを知っていると
それはナニ???
なんで、その事を知っているの?
でも、その苦しくて切なくて死にたくなる痛みが何かは覚えていない。
痛みだけを覚えている。
嫌だ、思い出したくない・・・
その記憶にある抉られるような痛みに涙を堪えたくて唇をギリっと噛むと
口の中に広がる苦くて生温かい味に更に広がる痛み。
でも、どうしてカズ君がいるんだろう・・
先生の診察を受けながらフト疑問に思う・・幾らなんでも違うような
気がする。
今だって診察を受けているのにカズ君は病室から出ない。
両親も忙しい人だけれど、娘が入院しているのにカズ君に看病を任せる
ような無責任な親では無いし、お姉ちゃんも来ていない・・
私が目を覚ましてから一度も来てくれてない。
どうして?
妹の私より優先するって・・恋人関係? でもカズ君は此処にいる。
じゃあなに?
フッとよぎったのは子供????
もしかして お姉ちゃんはママになっているって事?
その思考に自分自身がパニックになり呼吸が出来なくなった。
「加瀬さん、落ち着いて下さい・・」そう聞こえたような気がしたけれど
パニックで呼吸の出来なくなった私には考える力は残っていなかった。
寝ているのは解る・・だけど頭が痛い・・きっと目が覚めたら私は
酷い頭痛に悩まされるのが解っているからこのまま夢だと思って
眠り続けたい・・なのに・・もう起きないと,と思う気持ちもある。
お母さんが言っていた記憶・・なんの事だっけ?
考えたくないのに
「柚菜 柚菜 起きて・・お願いだから・・」
止めて私を現実に引き戻そうとしないで。
辛い、辛い、辛いのはもう沢山なの!
お願いだからこのまま死なせて・・
最後の死なせてって言う自分の夢の呟きに驚き目覚めた。
私、なんでそんな事を思ったんだろう・・・
「柚菜、起きた?」
そこに居たのは
「カズ兄 どうしたの? なんで居るの?」
何時も笑顔でいるのにどうして、そんなに傷ついた顔をするの?
ズキっと痛む胸と頭に
「っううう・・・」
「柚菜、痛むのか? 何処が痛い?」
私の肩に触れるその手にドキンと胸が高鳴るが、その薬指に光るプラチナの
シンプルな指輪が目に留まった
あ・・・記憶を失くしている数年の間にカズ君は結婚したんだ。
相手は・・考えなくても一人しか居ない・・・
ポロポロと零れ落ちる涙にカズ君は驚き慌てて
「柚菜、待ってて先生呼ぶから・・」そう言ってナースコールに向かって
話しかける。
違う、この涙は痛いのは身体じゃない心だよ・・
駆け付けた看護師さんが
「加瀬さん、大丈夫ですか?」・・
カズ君の心配じゃなくて私の心配してよ・・そりゃ 解るよ・・
カズ君みたいにイケメンで、洗礼されていて、何処からどう見ても
完璧が絵に描いている様な人物だからって患者を差し置いて、付き添いの
心配をするなんて・・女の私が記憶を失くしたショックで暴れたのかと
思われたにしてもだよ、私は女でベッドに伏せた人間、
暴れてもたかがしれてるでしょ?
先ずは患者を心配して欲しい・・
しかも私、色々なのに繋がれて起き上がれないんだから暴れないよ。
イケメンに対する暴言を警戒している????
カズ君が私の代わりに看護師さんへ
「起きて涙を流すほど痛みに耐えているみたいなんです。
お願いです。柚菜の痛みを緩和させて下さい。」
「何処が痛みますか?」
今更・・・・最初に聴いて欲しかったよ・・・
「頭が割れえる様に痛いです。それに息がしづらいです。」
「今、先生を呼びますからね・・」
頭がさっきよりズキズキと痛む、そして胸も痛い・・
でも、この痛みは知っている。
中学2年の夏に感じた痛みと同じ。
私はカズ君の指輪に傷ついてるんだ・・でも、この痛みは耐えられる。
だって、中学生の時に経験して克服出来た痛みと同じだから。
これは多分大丈夫だ。私はもっと辛くて哀しくて苦しい痛みを知っている。
だからこの痛みは大丈夫。
待って・・私、今 この痛みよりも苦しい痛みを知っていると
それはナニ???
なんで、その事を知っているの?
でも、その苦しくて切なくて死にたくなる痛みが何かは覚えていない。
痛みだけを覚えている。
嫌だ、思い出したくない・・・
その記憶にある抉られるような痛みに涙を堪えたくて唇をギリっと噛むと
口の中に広がる苦くて生温かい味に更に広がる痛み。
でも、どうしてカズ君がいるんだろう・・
先生の診察を受けながらフト疑問に思う・・幾らなんでも違うような
気がする。
今だって診察を受けているのにカズ君は病室から出ない。
両親も忙しい人だけれど、娘が入院しているのにカズ君に看病を任せる
ような無責任な親では無いし、お姉ちゃんも来ていない・・
私が目を覚ましてから一度も来てくれてない。
どうして?
妹の私より優先するって・・恋人関係? でもカズ君は此処にいる。
じゃあなに?
フッとよぎったのは子供????
もしかして お姉ちゃんはママになっているって事?
その思考に自分自身がパニックになり呼吸が出来なくなった。
「加瀬さん、落ち着いて下さい・・」そう聞こえたような気がしたけれど
パニックで呼吸の出来なくなった私には考える力は残っていなかった。